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『インスペクション』って何?大分の健康診断の専門家が費用・流れ・メリットを徹底解説

 

住宅インスペクションとは、建築士などの専門家が、住宅の劣化状況や不具合の有無を客観的に調査し、報告する「住まいの健康診断」です。

 

このコラムでは、インスペクションの基本知識から、気になる費用相場、信頼できる業者の選び方、そして混同されがちな耐震診断との明確な違いまで、あらゆる角度から専門家の視点で徹底的に解説します。

 

私たち株式会社カワノは、大分県で1000件を超える耐震診断・インスペクション実績を誇り、「性能向上リノベデザインアワード」にて特別賞を受賞するなど、確かな技術力と経験でお客様の住まいに関する不安を安心に変えるお手伝いをしています。

 

この記事を最後までお読みいただければ、インスペクションのことが全てマル分かり。漠然とした不安は具体的な安心へと変わるはずです。

 

 

目次

1. そもそもインスペクションとは?住宅診断のプロが基礎から徹底解説!

 

 

インスペクションとは、専門家が住宅の基礎や壁、屋根などの状態を目視や専門機器で客観的に調査し、劣化状況や不具合(建物のキズや欠陥)を明らかにする「住宅の健康診断」です。中古住宅購入時の不安を解消し、安心して取引を進めるための重要な情報を得られます。

 

 

1-1. インスペクション(建物状況調査)で何がどこまで分かる?調査範囲と具体的な内容

 

インスペクションでは、建物の構造耐力上主要な部分(基礎、壁、柱など)や雨水の浸入を防止する部分(屋根、外壁、開口部など)に生じているひび割れや雨漏りといった劣化・不具合の状況を、専門家が目視や専門の計測機器を用いて調査します。

 

法的には「建物状況調査」と呼ばれ、国土交通省が定める基準に基づき、「既存住宅状況調査技術者」の資格を持つ建築士などが実施します。

〔出典:国土交通省, 既存住宅状況調査方法基準の解説

 

具体的には、以下のような箇所をチェックします。

 

  • 構造耐力上の安全性に関わる可能性のある箇所
    ・基礎のひび割れ、鉄筋の露出
    ・柱や梁の傾斜、接合部のゆるみ
    ・壁のひび割れ、剥離

  • 雨漏りや水漏れの可能性のある箇所
    ・屋根材のずれ、破損、防水層の劣化
    ・外壁のひび割れ、シーリングの劣化
    ・バルコニーの防水状態
    ・サッシ周りの雨じみ

  • その他、日常生活に影響のある可能性のある箇所
    ・給排水管の漏水、詰まりの兆候(※オプションで詳細調査も可能)
    ・換気設備の状況
    ・(マンションの場合)共用部分との境界壁の状態など
    ・壁紙の剥がれ

これらの調査を通じて、中古住宅購入を検討中の方が安心して取引を進めるための情報を提供するだけでなく、ご自宅の現状を正確に把握したい方にとっても、建物のコンディションを客観的に知る重要な手がかりとなります。

 

 

1-2. ホームインスペクション、住宅診断…様々な呼び名と宅建業法改正との関係

 

「インスペクション」の他にも、「ホームインスペクション」や「住宅診断」といった言葉を耳にすることがあるかもしれません。これらは基本的に、同じサービス(建物状況調査)を指す言葉と考えて差し支えありません。

 

インスペクションが特に注目されるようになった大きなきっかけは、2018年4月に施行された宅地建物取引業法(宅建業法)の改正です。この法改正により、中古住宅の売買取引において、不動産業者はインスペクションに関する以下の説明を行うことが義務付けられました。

 

  • インスペクション業者を斡旋できるかどうか
  • 売主または買主がインスペクションを実施した場合、その結果の概要を重要事項説明書に記載し説明する

 

私たち株式会社カワノでも、この法改正を機に、大分県内のお客様からインスペクションに関するお問い合わせが格段に増え、多くの方々の安心な住まい選びをサポートしてまいりました。

 

 

1-3. なぜ今、インスペクションが重要視されるのか?その背景と意義

 

 

では、なぜ今、インスペクションはこれほどまでに重要視されるのでしょうか?その背景には、活発化する中古住宅流通市場や、質の高い住宅に長く住み続ける「ストック型社会」への意識の高まりが見られます。

 

中古住宅は新築に比べて価格が手頃な一方、目に見えない部分の劣化や「瑕疵(かし)」と呼ばれる建物のキズや欠陥が潜んでいる可能性があります。これが入居後に発覚すると、予期せぬ大きな修繕費用や精神的負担につながりかねません。

 

「この家、本当に大丈夫…?」

 

そんな購入前の漠然とした不安を具体的な情報に変え、納得して住宅を選ぶための羅針盤、それがインスペクションです。インスペクションを行うことで、以下のような意義があります。

 

  • 買主にとって
    物件の現状を客観的に把握できる
    購入後のリスク(修繕費用など)を予測できる
    安心して購入判断ができる

  • 売主にとって
    売却後のトラブル(契約不適合責任など)を未然に防げる
    物件の信頼性を高め、スムーズな売却につながる

人間が定期的に健康診断を受けるように、住まいも専門家の目でチェックすることで、その真の価値を理解し、安心して次のステップへ進むことができるのです。株式会社カワノは、インスペクションを通じて、売主様・買主様双方にとって透明で公正な取引をサポートします。

 

インスペクションの具体的な調査項目やメリットについて、さらに詳しく知りたい場合は、お気軽に株式会社カワノの無料相談をご活用ください。

無料相談はこちらから

 

 

2. 【買主・売主必見】インスペクションのメリット・デメリットを正直にお伝えします!

 

 

「インスペクションって、お金も時間もかかるけど、本当にやる価値があるの?」多くの方が抱く疑問です。結論から申し上げますと、インスペクションは、買主様・売主様双方に大きな安心をもたらし、透明で公正な住宅取引を助ける強力な味方です。しかし、費用や時間といった注意点も確かに存在します。

 

以下では、それぞれの立場からの具体的なメリットとデメリット、そしてインスペクションを賢く活用する方法をお伝えします。

 

 

2-1. 中古住宅購入の不安を解消!買主側から見た5つの大きなメリット

 

中古住宅の購入は、人生における大きな決断の一つ。新築とは異なり、目に見えない部分の状態への不安はつきものです。インスペクションは、そんな買主様の「見えない部分への不安」を解消し、後悔のない選択を力強く後押ししてくれます。

 

具体的には、主に以下の5つの大きなメリットが期待できます。

 

  1. 建物の状態を客観的に把握できる
    専門家の目で隅々までチェックすることで、雨漏りの形跡やシロアリ被害の可能性、構造的な問題など、ご自身では気づきにくい隠れた瑕疵(かし:建物のキズや欠陥)や劣化の状況を、購入前に客観的に把握できます。

  2. 購入後の予期せぬ出費リスクを低減できる
    将来的に必要となる可能性のある修繕箇所や、そのおおよその時期・費用感が分かるため、購入後の資金計画をより具体的に立てやすくなります。「こんなはずじゃなかった…」という事態を避けられます。

  3. 価格交渉の客観的な材料になる可能性がある
    もしインスペクションで修繕が必要な箇所が見つかった場合、その報告書を根拠に、売主様と修繕費用の負担や販売価格について交渉を行える可能性があります。

  4. 安心して新生活をスタートできる
    「この家で本当に大丈夫だろうか」という漠然とした不安が軽減され、専門家による客観的な評価に基づいて納得して新生活を始めることができます。これは何物にも代えがたい安心感です。

  5. 瑕疵保険への加入がスムーズになる場合も
    一定の基準を満たしたインスペクションは、中古住宅向けの瑕疵保険(住宅の欠陥に対する保険)に加入する際の条件となるケースがあります。この保険に加入できれば、万が一購入後に欠陥が見つかっても、補修費用などの保険金が支払われます。
    〔出典:国土交通省, 既存住宅売買瑕疵保険について

 

カワノでも以前、大分市で中古住宅購入をご検討のお客様からインスペクションのご依頼がありました。調査の結果、軽微な雨漏りの形跡を発見。早期発見だったため、売主様負担での修繕と、わずかな価格調整でご成約に至り、「専門家に見てもらえて本当に良かった。安心して購入を決断できた」と大変喜んでいただけました。

 

このように、インスペクションは買主様にとって、安心と納得を手に入れるための非常に重要なプロセスと言えるのです。

 

 

2-2. トラブル回避とスムーズな売却へ!売主側から見た3つのメリット

 

売主様にとっても、インスペクションは売却後の予期せぬトラブルを未然に防ぎ、物件の信頼性を高める上で非常に有効な手段となります。「売った後に何か言われたらどうしよう…」そんな不安を軽減できます。

 

主なメリットは以下の3点です。

 

  1. 売却後の契約不適合責任リスクを軽減できる
    事前に建物の状態を正確に把握し、その情報を買主様に開示することで、引き渡し後に「聞いていなかった欠陥があった」といった契約不適合責任(民法改正前の「瑕疵担保責任」に相当)を問われるリスクを大幅に減らすことができます。

  2. 物件への信頼性が高まり、早期売却に繋がる可能性がある
    インスペクション済みであることは、買主様にとって大きな安心材料となります。「検査済みの信頼できる物件」として他の物件との差別化が図れ、買主様の購入判断を後押しし、結果としてスムーズな売却が期待できます。

  3. 適正価格での売却と価格交渉への備えができる
    物件の状態を客観的に把握することで、自信を持って適切な価格設定ができます。また、万が一インスペクションで修繕が必要な箇所が見つかっても、事前に対応したり、その情報を開示した上で価格に反映させたりするなど、計画的な対策を講じることができます。

 

売却前にインスペクションを行うことで、売主様・買主様双方にとって「こんなはずじゃなかった」という認識のズレを防ぎ、お互いにとって気持ちの良い、透明性の高い取引を目指せるはずです。

 

 

2-3. 知っておきたいインスペクションの注意点と費用対効果の考え方

 

 

多くのメリットがあるインスペクションですが、いくつか知っておくべき注意点もあります。

 

まず、費用と時間がかかる点は念頭に置く必要があります。また、インスペクションはあくまで現時点での建物の状態を非破壊で(壁などを壊さずに)評価するものであり、将来に発生する全ての不具合を保証するものではありません。例えば、壁の内部やコンクリート基礎の内部など、目視できない範囲の全てを把握できるわけではないことを理解しておくことが大切です。

 

「費用をかけたのに、何も問題が見つからなかったら無駄だったのでは?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、問題が“ない”と専門家によって確認できたこと自体が、将来への大きな安心と価値につながります。それは、いわば「健康診断で異常なし」という結果を得るのと同じです。

 

一方で、万が一問題が見つかれば、それは将来のより大きな損失やトラブルを事前に防ぐための貴重な発見となります。早期発見・早期対応により、結果的に修繕費用を抑えられるケースも少なくありません。

 

目先の費用だけでなく、長期的な視点で住まいの安心と安全、そして資産価値を考えることが、インスペクションの費用対効果を判断する上で非常に重要なのです。

 

 

3. 【大分県版】気になるインスペクション費用はいくら?相場と内訳、負担者まで解説

 

インスペクションを検討する上で、やはり気になるのが「費用は一体いくらかかるの?」という点でしょう。ここからは、インスペクション費用の全国的な相場、大分県での傾向、費用の内訳、そして誰が負担するのかといった疑問について、具体的に解説していきます。

 

 

3-1. 戸建て・マンション別!インスペクション費用の全国相場と大分県の傾向

 

インスペクションの費用相場は、調査する物件の種類や広さ、調査内容によって異なりますが、基本的な目視調査の場合、全国的な目安は以下の通りです。

 

  • 戸建て住宅(一般的な床面積100㎡前後): 約5万円 ~ 7万円程度
  • マンション(専有部分のみ): 約4万円 ~ 6万円程度

※複数の住宅診断会社などのウェブサイトに掲載されている一般的な費用相場データ(2024年時点の調査に基づく)

 

大分県においても、これらの全国相場から大きく外れることは少ない傾向にあります。

 

ただし、これはあくまで基本的な調査(目視を中心とした非破壊調査)の目安です。建物の規模(延床面積や専有面積)が大きくなれば、その分調査時間や手間が増えるため、費用が加算されるのが一般的です。

 

株式会社カワノでは、マンション/戸建て共に税込66,000円でお受けしています。

 

 

3-2. 基本調査以外にかかる?オプション検査(床下・屋根裏等)の費用目安

 

 

基本的なインスペクションは、主に目視による調査が中心となりますが、より詳細な状況把握のために、オプションで追加の調査を選択することも可能です。これらは、より専門的な機器を使用したり、通常では確認しづらい箇所に進入したりする調査です。

 

代表的なオプション検査とその費用の目安は以下の通りです。

 

  • 床下詳細調査(点検口からの進入調査)
    内容:基礎の状態、シロアリ被害の痕跡、配管の状況、断熱材の状態などをより詳しく確認。
    費用目安:基本料金に加えて 1万円~3万円程度

  • 屋根裏詳細調査(点検口からの進入調査)
    内容:雨漏りの痕跡、断熱材の状態、小屋組(屋根を支える骨組み)の状況、野地板の腐食などを確認。
    費用目安:基本料金に加えて 1万円~3万円程度

  • その他専門調査
    耐震診断(構造計算を含む場合など)
    給排水管路調査(ファイバースコープ使用)
    専門業者によるシロアリ調査(薬剤散布を伴う場合など)
    石綿(アスベスト)調査

 

これらのオプション検査は、1項目あたり数万円程度の追加費用がかかることが一般的です。例えば、床下と屋根裏の両方を詳細調査する場合、基本料金に加えてプラス2~4万円程度が目安となるでしょう。

 

どこまで詳しく調べるべきかは、建物の築年数や状態、お客様のご不安な点によって異なります。「この部分は特に心配だから見てほしい」といったご要望があれば、遠慮なくお申し付けください。

 

 

3-3. 費用は誰が払う?売主負担・買主負担のケースと交渉のポイント

 

「インスペクションの費用は、売主と買主、どちらが負担するのが一般的?」

 

これには法律で明確な定めがあるわけではなく、ケースバイケースというのが実情です。

 

一般的には、以下の2つのパターンが多く見られます。

 

  1. 買主負担のケース
    中古住宅の購入を検討している買主様が、自らの判断で物件の状態を詳細に把握するためにインスペクションを依頼する場合。これが最も一般的なパターンと言えるでしょう。買主様が安心して購入判断をするための費用と捉えられます。

  2. 売主負担のケース
    売主様が、売却前に物件の信頼性を高めたり、売却後の契約不適合責任のリスクを低減したりする目的で、自主的にインスペクションを行う場合。インスペクション済みの物件としてアピールすることで、早期売却につながることも期待できます。

 

どちらが負担するにしても、事前に売主様・買主様双方でしっかりと話し合い、合意しておくことが、後のトラブルを防ぐための最も重要なポイントです。不動産仲介会社が間に入って調整することも多いです。

 

たとえ買主様が費用を負担する場合でも、インスペクションの結果、大きな修繕が必要と判断されれば、その修繕費用を考慮した価格交渉が行われることも少なくありません。その意味では、インスペクション費用が無駄になることは少ないと言えるでしょう。

 

 

4. インスペクションの流れと準備|報告書のココを見る!プロが教える活用術

 

 

次は、お問い合わせから調査、報告書受領までの具体的なステップ、そしてインスペクション当日までに準備しておくと役立つもの、さらに専門家が教える報告書のチェックポイントと賢い活用法を、分かりやすく解説します。

 

 

4-1. 問い合わせから契約、調査当日、報告書受領までの8ステップ

 

インスペクションは、おおむね以下のステップで進められます。業者によって多少の違いはありますが、基本的な流れを把握しておきましょう。

 

  1. お問い合わせ・相談
    まずは気になるインスペクション業者へ電話やメール、ウェブサイトのフォームなどから連絡し、物件の状況(戸建て/マンション、築年数、広さなど)や希望する調査内容、不安な点などを伝えます。

  2. 事前準備・資料提供
    建物の図面や建築確認済証、検査済証、過去の修繕履歴(リフォーム履歴)などの書類があれば準備します。

  3. 調査日程の調整
    業者と調査実施の日程を調整します。売主様や不動産会社の担当者との連携が必要な場合もありますので、余裕を持ったスケジュール調整が望ましいです。

  4. インスペクション(建物状況調査)当日
    約束の日時に、資格を持つ調査員(既存住宅状況調査技術者など)が現地を訪問し、専門的な調査を実施します。所要時間は物件の規模や調査範囲によって異なります。

  5. 報告書の作成・提出
    調査後、通常は1週間程度で、写真付きの詳細な調査報告書が作成され、依頼者へ提出されます。

カワノの報告書は、お客様が専門知識をお持ちでなくてもご理解いただけるよう、専門用語を極力避け、図や写真を豊富に用いて「親切に」解説することを心がけています。

 

インスペクション/報告書が並ぶ

 

このような形で、視覚的にも分かりやすい報告をいたします。もし不明な点があれば、遠慮なく調査員にご質問ください。

 

 

4-2. インスペクション当日は立ち会うべき?所要時間と準備するものリスト

 

「インスペクション当日、自分も立ち会った方がいいの?」これも多くの方が迷われる点です。

 

結論から申し上げると、インスペクションには原則として、お立ち会いいただくことを強くおすすめします 

 

なぜなら、調査員がその場で指摘する劣化状況や、お客様が特に気になっている点を直接ご自身の目で確認し、リアルタイムで質問できる絶好の機会だからです。専門家の解説を聞きながら実際の状況を見ることで、報告書だけでは伝わりにくいニュアンスも理解しやすくなります。もちろん、ご都合がどうしてもつかない場合は、事前に業者にご相談ください。

 

調査の所要時間は、物件の種類や規模、調査範囲によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

 

  • 戸建て/マンション(専有部のみ)

    約1~2時間程度
    ※床下や屋根裏の詳細調査などオプションを追加する場合は、さらに時間がかかることがあります。

 

調査をよりスムーズかつ有益なものにするために、事前に以下のような書類を準備しておくと、調査員が建物の構造や履歴を正確に把握する上で非常に役立ちます。

 

  • 建物の図面
  • 配置図
  • 各階平面図
  • 立面図
  • 断面図(特に矩計図があれば理想的)
  • 基礎伏図 など

 

これらがあると、建物の構造や間取りをより詳細に把握できます。 

 

  • 建築確認済証・検査済証
    建築基準法に基づき適法に建築されたことを証明する重要な書類です。

  • 過去の修繕履歴
    リフォームや大規模修繕を行った際の契約書、保証書、図面などがあれば、建物の維持管理状況を把握する貴重な手がかりとなります。

  • その他(あれば)
    土地の測量図、地盤調査報告書、新築時のパンフレットなど。

 

もちろん、これらの書類が揃っていなくてもインスペクションの実施は可能です。しかし、情報が多いほど、より精密で的確な診断につながることは間違いありません。

 

 

4-3. 報告書をどう活かす?購入判断・価格交渉・リフォーム計画への活用法

 

インスペクション報告書は、単に「結果を知る」ためだけのものではありません。この「家のカルテ」とも言える情報を最大限に活用することで、中古住宅の購入判断、価格交渉、そして将来のリフォーム・メンテナンス計画など、今後の重要な意思決定に役立てることができます。

 

具体的には、以下のような活用法が考えられます。

 

  • 購入判断の客観的な材料として
    報告書の内容をじっくりと吟味し、建物の良い点・悪い点、そして潜在的なリスクを全て納得した上で、その物件を購入するかどうかの最終決定を下すための、非常に重要な判断材料となります。もし重大な欠陥が見つかった場合は、購入を見送るという冷静な判断も可能になります。

  • 価格交渉の具体的な根拠として
    報告書で修繕が必要な箇所や、その修繕に相応の費用が見込まれる場合、その修繕費用相当額の価格減額交渉を売主と行う際の、客観的かつ強力な資料となります。感情論ではなく、専門家の報告に基づいた交渉が可能です。

  • リフォーム・メンテナンス計画の立案に
    「いつ頃、どの程度の規模の修繕やリフォームが必要になりそうか」という具体的な目安がつくため、長期的な視点でのメンテナンス計画やリフォーム計画を具体的に立てやすくなります。購入と同時にリフォームを検討している場合は、その内容や予算策定にも直結します。

 

「報告書の見方がよく分からない」「この結果をどう判断すればいいの?」そんな時は、株式会社カワノの無料相談をご利用ください。

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5. インスペクションで問題が見つかったら?買主・売主別の賢い対処法

 

 

「もしインスペクションで、家の欠陥や不具合が見つかったらどうしよう…」

 

ご安心ください。問題が発見されても、すぐに慌てる必要はありません。 大切なのは、その結果を冷静に受け止め、専門家のアドバイスを受けながら、買主様・売主様それぞれが取り得る対処法を理解し、適切に対応することです。

 

 

5-1. 買主ができること:修繕要求、価格交渉、契約解除の判断基準

 

インスペクションの結果、何らかの不具合や劣化、あるいは瑕疵(かし:建物のキズや欠陥)が見つかった場合、買主様は主に以下の3つの選択肢を考えることができます。どの対応が最適かはケースバイケースですので、不動産会社やインスペクション業者とよく相談し、慎重に判断しましょう。

 

  1. 売主への修繕要求
    発見された不具合箇所について、売主様に対して修繕を求めることができます。例えば、雨漏りが見つかった場合にその補修を要求する、給湯器の故障が判明した場合に交換を要求するなどです。ただし、修繕の範囲や方法、費用負担については、売主様との協議が必要です。

  2. 価格交渉(値引き交渉)
    修繕費用相当額、あるいは物件の状況を総合的に考慮した価格の減額を売主様に求めることができます。インスペクション報告書が、その客観的な交渉材料となるでしょう。売主様が修繕に応じない場合や、買主様ご自身で修繕したい場合に有効な手段です。

  3. 契約解除の検討
    もし、発見された不具合が非常に重大で、修繕が困難であったり、想定以上の高額な費用がかかったりする場合、あるいは契約の前提が覆るような「隠れた瑕疵」であった場合には、売買契約の解除を検討することも選択肢の一つです。契約書に定められた手付解除の期日や、契約不適合責任に基づく解除条件などをしっかりと確認する必要があります。

 

大切なのは、インスペクション報告書の内容を正確に理解し、専門家(不動産仲介業者やインスペクション業者、場合によっては弁護士など)のアドバイスを参考にしながら、ご自身の希望や予算、ライフプランなどを総合的に考慮して最適な判断をすることです。

 

 

5-2. 売主ができること:責任範囲の確認、修繕対応、情報開示と価格反映

 

一方、売主様の立場で、ご自身の物件のインスペクションの結果、何らかの不具合が指摘された場合には、主に以下の3つの対応が考えられます。買主様との円満な合意形成を目指し、誠実に対応することがスムーズな取引の鍵となります。

 

  1. 契約不適合責任の範囲確認
    まず、指摘された不具合が、売買契約における契約不適合責任(民法改正前の「瑕疵担保責任」)の対象となるのかどうか、契約書の内容や関連法規(民法など)を確認します。経年劣化による自然な損耗なのか、それとも通常有すべき品質を欠いているのか、専門家の意見も参考に判断が必要です。

  2. 修繕対応の検討
    買主様から修繕要求があった場合、その内容や費用負担について真摯に協議し、対応を検討します。買主様の不安を取り除き、信頼関係を築くためには、可能な範囲で早期に対応することが、結果としてスムーズな取引につながることも少なくありません。

  3. 正確な情報開示と価格への反映
    修繕しない、あるいは修繕が難しい場合は、その旨と理由を買主様に正確に伝え、十分な理解を得ることが重要です。その上で、不具合の状況を価格に反映させる(値引きする)ことで、買主様の合意を得て取引を進めるという方法もあります。

 

例えば、カワノで以前、大分県別府市で中古住宅を売却されるお客様からインスペクションのご依頼を受けました。調査の結果、小規模な雨漏りの形跡が発見されました。お客様は当初、費用負担に難色を示されましたが、私たちが買主様の不安や契約不適合責任のリスクをご説明したところ、ご理解いただき、適切に修繕を実施。

 

さらに、私たちが提案した国や自治体の補助金を活用した断熱リフォームも合わせて行い、結果的に物件価値を高めて早期に、かつ買主様にも大変満足いただける形でご成約に至った事例もございます。

 

このように、問題が見つかっても誠実に対応することで、より良い結果に繋がることもあります。

 

 

5-3. 修繕費用は誰が負担?ケース別の考え方と交渉のポイント

 

修繕費用の負担についても、法律で一律に決まっているわけではなく、基本的には売主様と買主様の話し合いによって決定されます インスペクション報告書という客観的なデータを基に、冷静に話し合い、不動産仲介業者やインスペクション業者など専門家の意見も参考に、双方にとって公平な解決を目指すことが重要です。

 

一般的には、以下のようなケースが考えられます。

 

  • 売主様が負担するケース
    ・雨漏り、構造上の重大な問題、シロアリ被害など、明らかに建物の安全性や居住性に影響のある「隠れた瑕疵」で、売主様に修繕義務があると判断される場合。
    ・売主様が買主様への配慮や、早期かつ円満な売却を実現するために、自主的に修繕費用を負担する場合。

  • 買主様が負担するケース
    ・経年劣化による軽微な不具合(例:壁紙の汚れ、床の小さな傷など)で、中古住宅としては許容範囲と判断される場合。
    ・買主様がその不具合を承知の上で、修繕費用を含めて購入価格に納得している場合。
    ・買主様がご自身の好みに合わせてリフォームする際に、合わせて修繕も行う場合。

  • 双方で一部ずつ負担するケース
    交渉の結果、お互いが納得する形で費用を分担する場合。例えば、修繕費用の半額ずつを負担する、あるいは特定の項目は売主負担、別の項目は買主負担とするなどです。


交渉のポイントは、インスペクション報告書という客観的なデータに基づいて冷静に話し合うこと 感情的にならず、それぞれの立場や事情を理解し合いながら、専門家(不動産会社やインスペクション業者)の意見も積極的に参考にし、双方にとって公平で納得のいく解決策を見つけることが大切です。

 

 

5-4. 診断から改修まで安心!カワノのワンストップサポート

 

 

インスペクションで問題が見つかったとしても、そこで終わりではありません。むしろ、そこからが安全で快適な住まいづくりの本当のスタートとも言えます。

 

株式会社カワノは、単にインスペクションを行うだけでなく、その後の修繕・リフォーム、補助金制度の活用まで、ワンストップでサポートできるのが大きな強みです。

 

  • 専門家による正確な診断と丁寧な説明
    二級建築士などの有資格者が、豊富な実績と専門知識を活かして正確に診断。結果は分かりやすく丁寧にご説明します。

  • ご要望に沿った最適な改修プラン
    診断結果をもとに、ご予算や暮らしに合わせた修繕・リノベーションプランをご提案。受賞歴のある技術で断熱・耐震などの性能向上にも対応します。

  • 補助金の申請まで徹底サポート
    大分県内での実績を活かし、各種補助金制度を有効活用できるよう申請手続きを丁寧にサポートします。

  • 自社施工と安心のアフター対応
    自社管理のもと、高品質な工事を実施。工事後も長く安心して暮らせるようサポートを続けます。

 

「もし何か見つかったら、どこに頼めばいいんだろう…?」そんな不安も、カワノなら診断から具体的な解決策の実行まで、一貫して寄り添います。

 

「親切に」をモットーに、お客様の不安を安心に変えるお手伝いをさせていただきますので、インスペクションの結果に関わらず、どんなことでもお気軽にご相談ください。

 

 

6. インスペクションと耐震診断はどう違う?株式会社カワノが徹底比較!

 

インスペクション(建物状況調査)と耐震診断は、どちらも住まいの安全に関わる重要な調査ですが、その目的と調査範囲が根本的に異なります。

 

 

6-1. 調査の目的と範囲が全く違う!インスペクション or 耐震診断

 

インスペクションと耐震診断の最も大きな違いは、「何を主な目的として調査するのか」という点です。インスペクションは建物全体の健康状態を広範囲にチェックする「総合的な健康診断」であるのに対し、耐震診断は地震に対する建物の構造的な安全性を専門的に評価する「地震への体力測定」のようなものです。

 

それぞれの違いを分かりやすく表にまとめました。


比較項目インスペクション
(建物状況調査)
耐震診断
主な目的

建物の劣化状況や不具合の有無を広範囲に把握すること(雨漏り、シロアリ被害、給排水管の不具合など、建物全体のコンディションをチェック)

地震に対する建物の構造的な安全性(耐震性能)を専門的に評価すること(現行の耐震基準に対してどの程度の耐震性があるかを診断)

主な調査範囲

基礎、外壁、屋根、軒裏、バルコニー、内壁、天井、床、建具、床下、小屋裏(屋根裏)、給排水設備、電気設備など、建物全体の状態を目視中心に調査

主に柱、梁、壁、基礎などの構造躯体(建物を支える骨組み)。図面確認、現地調査(必要に応じて一部破壊調査も伴う場合あり)、構造計算などを行う。

わかることの例

・雨漏りのシミがあるか

・外壁にひび割れがあるか

・床下に水漏れの形跡があるか

・給湯器が正常に作動するか

・断熱材の施工状況はどうか

・現行の耐震基準(主に2000年基準)を満たしているか

・大地震(震度6強~7程度)で倒壊する危険性はどの程度か

・どの部分を補強すれば耐震性が向上するか

・耐震補強工事にどれくらいの費用がかかりそうか

主な対象者

中古住宅の購入・売却を検討している方、自宅の全体的な劣化状況やメンテナンスの必要性を知りたい方。

自宅の耐震性に不安がある方、特に古い木造住宅(主に1981年5月以前の旧耐震基準で建てられた住宅や、2000年5月以前の木造住宅)にお住まいの方、耐震リフォームを検討している方。
〔出典:建築基準法(耐震関係規定の変遷)〕

法的な位置づけ

宅地建物取引業法に基づき、中古住宅売買時に不動産業者からの説明義務あり。

建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)に基づき、特定の建築物には耐震診断が義務付けられている場合あり。個人の住宅は任意だが強く推奨。

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いかがでしょうか?インスペクションは建物の「広範囲な初期チェック」、耐震診断は「地震への強さに特化した精密検査」と捉えると、その違いがより明確になるかと思います。

 

私たちは、熊本地震の際に多くの被災家屋の調査・診断に携わりました。その経験から、インスペクションによる日常的な建物の維持管理の重要性と、耐震診断による地震への備えの重要性の両方を痛感しています。どちらか一方だけでなく、両方の視点を持つことが大切です。

 

 

6-2. こんな場合はどっち?目的別の選び方ガイド

 

インスペクションと耐震診断、どちらを選べばよいか迷う方も多いでしょう。基本的には、「何を知りたいか」「どんな不安を解消したいか」という目的によって選択します。

 

以下に、目的別の選び方の目安を示します。

 

 

  • 中古住宅の購入を考えていて、全体的な状態(雨漏り、設備の不具合、劣化など)を広く知りたい場合

    まずはインスペクションをおすすめします。建物のコンディションを総合的に把握し、購入判断の材料にしたり、価格交渉の参考にしたり、将来のリフォーム計画を立てたりするのに役立ちます。

  • 自宅が古く(特に1981年5月以前の旧耐震基準や2000年5月以前に建てられた木造住宅)、大きな地震が来たら倒れないか心配な場合

    耐震診断が必要です。現在の耐震基準を満たしていない可能性が高いため、専門家による診断を受け、必要であれば耐震補強工事を検討しましょう。

  • 自宅の売却を考えていて、買主に安心感を与え、スムーズな取引をしたい場合

    インスペクションを実施し、建物の状態を客観的に示すことで、買主の信頼を得やすくなり、売却後のトラブル防止にもつながります。

  • 自宅のリフォームを考えていて、どこから手をつけるべきか、優先順位を知りたい場合

    まずはインスペクションで家全体のウィークポイント(劣化箇所や不具合)を把握しましょう。その結果、構造的な不安が見つかれば、追加で耐震診断も検討すると、より効果的で無駄のないリフォーム計画が立てられます。

 

株式会社カワノでは、お客様の状況やご要望を丁寧にお伺いしアドバイスいたします。例えば、中古住宅購入のご相談の場合、まずはインスペクションで全体像を把握し、その建物の築年数や構造、インスペクションの結果から耐震性に懸念が見られる場合には、詳細な耐震診断へとステップを踏むご提案をすることが多いです。

 

 

6-3. 大分で住宅診断ならお任せ!株式会社カワノの専門性と実績

 

 

株式会社カワノは、大分県下No.1の耐震改修の補助金適応工事実績を過去16年誇り、これまでに1000件を超える豊富な耐震診断実績があります。これは、多くの大分県民の皆様から、住まいの安全に関するご相談と厚い信頼を長年にわたりいただいてきた証です。

 

私たちは、多数の有資格者(二級建築士、既存住宅状況調査技術者、耐震技術認定者など)が在籍し、その専門的な知識と経験に基づき、精度の高いインスペクションおよび耐震診断を実施しています。

 

診断結果は、お客様一人ひとりに「親切に」分かりやすくご説明し、必要な場合には具体的なリフォームのご提案、補助金活用のサポートまで、ワンストップで対応させていただきます。

 

大分でインスペクションや耐震診断をご検討なら、ぜひ一度、株式会社カワノにご相談ください。あなたの「安心で快適な理想の住まい」づくりを、確かな技術と心で全力でサポートいたします。

 

インスペクションや耐震診断について、もっと詳しく話を聞きたい、うちの場合はどうすればいいか相談したい、という方は、お気軽に株式会社カワノの無料相談・お問い合わせフォームからご連絡ください。

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よくあるご質問 (FAQ)

 

本文の内容をふまえつつ、インスペクションに関してお客様から特に多く寄せられるご質問を、株式会社カワノの視点も交えてQ&A形式でまとめました。

 

Q1. インスペクションとは何ですか?

 

A. 住宅の状態を専門家が診断する「建物の健康診断」です。基礎や壁、屋根などの劣化や不具合を調査し、中古住宅の購入や売却時の判断材料になります。

 

Q2. インスペクションの費用はいくらですか?

 

A. 戸建てで約5~7万円、マンションで約4~6万円が相場です。調査内容やオプションによって変動します。株式会社カワノでは無料見積もりが可能です。

 

Q3. 誰が費用を負担しますか?

 

A. 多くの場合、買主が負担しますが交渉次第で売主が負担することもあります。契約前に話し合いで決めるのが一般的です。不動産会社の仲介で調整されることもあります。

 

Q4. インスペクションのメリットは何ですか?

 

A. 不具合の早期発見により、購入判断や価格交渉がしやすくなります。また、報告書をもとに将来の修繕計画や瑕疵保険の加入にも役立ちます。

 

Q5. インスペクションと耐震診断の違いは何ですか?

 

A. インスペクションは建物全体の劣化調査、耐震診断は地震に対する強度を調べる検査です。目的と調査範囲が異なり、併用することでより安心です。

 

Q6. どんな人が調査するのですか?

 

A. 国が定めた資格「既存住宅状況調査技術者」を持つ建築士が担当します。カワノでは、実績豊富な二級建築士や耐震診断士が調査します。

 

Q7. 調査時間はどのくらいかかりますか?

 

A. 戸建て/マンション共に1~2時間が目安です。

 

Q8. インスペクションで欠陥が見つかった場合はどうなりますか?

 

A. 修繕、価格交渉、契約解除など、状況に応じて対応を選べます。カワノでは診断後のサポート体制も整っていますのでご安心ください。

 

 

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